伊予工業所の陶石事業

陶石とは?

陶石とは、陶磁器の製造に使われる原料となる岩石のことです。主に石英、長石、カオリンなどの鉱物で構成されており、焼成すると白く緻密な質感になるため、白磁や半磁器の製造に用いられます。

陶石は、火山岩からできた石を高温で焼くと磁器化する。酸化鉄など含まないものが、上級品として扱われ、等級が上がるほど、色が白くなる。陶石は、昔ながらの人の手による厳しい選別作業をクリアした耐火度(自重のみがかかった状態での軟化変形温度を示すもの)が高く、酸化鉄が少ないものを製品として各産地お客様に出荷している。

安定した品質を保つ為毎月出来上がった製品からサンプルをとり愛媛県の窯業技術センターに持ち込み化学分析を行い、基準を満たしているか確認し出荷している。また、陶石の品質は同じ岩盤でも1メートルずれることによって大きく変化することもあるので、定期的に窯業技術センターの担当者に訪問してもらい持運び型の成分分析機で採掘前の岩盤を科学分析してもらっている。

現在は、需要の低下などに伴い、砥部町内での陶石採掘者は、弊社のみとなりました。陶石は、酸化鉄などを含まないものが上級品として扱われます。伊予鉱業所の陶石は、昔ながらの人の手による厳しい選別作業をクリアした、耐火度が高く、酸化鉄が少ない物を製品として、各産地のお客様に出荷しております。

陶石の製品ができるまでの流れ

岩盤を重機で切り崩し原石を採掘する。

採掘風景

採掘した原石をダンプカーで作業場まで運び、クラシャーで選別しやすい大きさに割る。

クラシャーで原石を握りこぶしサイズへ

割った原石を、機械で泥などを水洗いし出てきた石をベルトコンベアーに乗せ、一個一個人の目で見て、品質ごとに選別する。

小割した原石を人の手で選別

製品を機械でサイズ別に分け一級・二級・三級の製品ができあがる。二級は、そのまま出荷する場合と二次クラッシャーで小割し、再選別をして一級選鉱小粒として販売しております。
三級品は、陶磁器タイルにも使えますが、主に庭用の敷砂利(蛍里石)として、サイズにバリエーションをつけて販売しております。

製品の完成

出来上がった製品の中から、ランダムにサンプリングを行い、成分分析を行った後合格であれば出荷となる。

陶磁器、碍子原料

伊予鉱業所のカオリン系陶石は、耐火度が27番前後と高く、可塑性に優れていると言われています。

陶磁器の原料、碍子の原料として、国内の焼き物の産地を中心にご使用頂いております。
等級が上がるほど選別基準を厳しく設定し、色は白くなります。

蛍里石

上品で落ち着きのあるブラウン系の石で、和風でも洋風の建物でも合う庭用の敷き砂利としてご利用頂いております。5㎜~15㎜が主流ですが、その他サイズもございますので、お気軽にお問い合わせください。

古代天然伊予砥・匠磨

 奈良朝の「正倉院文書」には観世音菩薩像造立の科に伊予砥石が納められたという記述があり、8世紀頃にはすでに中央に知られていた事が証明されます。
 「砥部」という地名のルーツは、砥石をつくる職業集団「造部」(つくりべ)の意味であることからも産地として古い歴史を知る事ができます。参考:「伊予砥ものがたり」

 昭和の終わりに伊豫砥と呼ばれる砥部町産の伊豫砥は、安い人工砥石の出現や、生活様式の変化などにより、需要が減少し、途絶えておりました。
 現在も需要は、ごくわずかですが、砥部焼の歴史のはじまりは、砥石にあると言うことを知り、砥部焼の原料を採掘する立場として、途絶えさせていけないと思い、復活させました。中~中仕上砥 としてご利用頂けます。販売もしておりますので、お気軽にお問い合わせください。